間取りの違いや展望の違い、防犯上の理由などにより、同じマンション内で引っ越しすることは、珍しくはありますがなくはない事例です。このような場合に引越業者を利用すると、料金はどのぐらい必要になるのでしょうか?
引越業者が必須のマンションもある
同じマンション内なら距離もありませんし、友人などの助けを借りて自力引っ越しを行えば費用は大幅に削減できます。
しかし、マンションによっては、規約で引越時の養生を必須としているところもあります。
この場合の養生とは、荷物の移動時に傷をつけないよう、廊下や出入り口、エレベーターなどにシートなどで覆いをすることを指します。個人で行うのは難しく、業者に依頼する必要があります。
安全上の観点からも、大きな家具や家電を移動する際は業者への依頼をおすすめします。重い荷物を無理に運んで壊してしまったり、怪我をしてしまったりしては、引っ越し費用以上の出費になってしまいます。プロの力を借りたほうがずっと安全でスマートです。
引越費用の相場は?
一般的な引っ越しは、トラックの大きさ、移動距離、スタッフの人数によって引越料金が決まります。
同じマンション内の引っ越しの場合、距離はほぼゼロ、トラックも不要ですから、重要なのはスタッフの人数となります。
一般的に、引っ越しスタッフの人件費は1人あたり15,000円前後。2人なら3万円、3人なら45,000円ということになります。
養生の費用は基本料金に含まれていることが多いのですが、そうでない場合は5,000円ほどが相場です。
また、マンションにエレベーターがない場合は荷揚げ費用としてプラス3,000円前後、オプションとしてエアコン移設工事を行う場合は一台あたり15,000円ほどかかります。
さらに、時期によっては繁忙期料金が追加でかかることもあります。
引越料金を抑えるポイントは?
同じマンション内の引っ越しではトラック代はかかりませんが、人件費だけでもある程度の金額になります。できるだけ安く抑えるためにはどんなことに工夫をしたら良いのでしょうか?
時期をずらす
引越料金は繁忙期か否かで大きく変わります。同じマンション内の引っ越しならそう急ぐものではないはずです。最低でも2月後半から4月前半の繁忙期は避けましょう。
一般的に、雨の多い6月の引っ越しは避けられやすいのですが、屋根のあるところしか移動しないマンション内なら天候を気にする必要はありません。梅雨時や雪の季節など、天候の影響で人気のない季節を選べばよりお得に引っ越しができます。
時間帯は引越業者に指定してもらう
引っ越しは午前の便と午後の便に分かれており、午後に後片付けのできる午前便が人気です。もしこだわりや理由がなければ、希望を出さずに業者に都合のいい時間帯を指定してもらいましょう。空いているところに予約を入れることができれば安くなったり、値引きしてもらえたりします。
同じマンション内の引っ越しなら、荷物の積み下ろしや移動時間がないため、引っ越しの作業時間はかなり短くなります。無理に午前に行わなくても時間には余裕があります。
運べる荷物は自分で運ぶ
ダンボールに詰めた荷物や洋服類など、自力で運べる荷物は自分で運びましょう。引越業者に運んでもらう荷物が少なくなれば、その分だけ費用は安くなります。
一般的な引っ越しの場合、自力引っ越しにはレンタカー代やガソリン代がかかりますが、同じマンション内なら必要なのは体力だけです。
できるだけ業者に依頼するのは家具や家電などの大物だけにしましょう。
ダンボールなどの梱包資材は買わない
ホームセンターでダンボールを買ったり、引越業者が販売している梱包資材を購入したりする必要はありません。トラックで運ぶときとは違い、自分で移動させる分には入れ物に入ってさえいれば運べます。
ダンボールが必要な場合も、スーパーやコンビニなどでもらえるもので十分です。長距離を運ぶわけではありませんから、そこまで強度は求められません。荷物の重みで底が抜けなければ大丈夫です。
同じマンション内で引っ越す場合の敷金礼金は?
余談ですが、同じマンション内で引っ越す場合でも、敷金礼金は改めて払い直すのが普通です。
大家都合の引っ越しではありませんし、古い契約を一旦終了させて新しい契約をすることになるため、こうしたお金も改めてかかることになります。
ただ、管理業者や大家によっては割引をしてくれる場合もあります。まずは一度相談してみましょう。
また、火災保険や仲介手数料については、管理業者によって扱いが異なります。
敷金礼金と同じく払い直しになる場合もあれば、引き継げる場合もあります。こちらの場合もまずは管理会社に確認してみましょう。
住所変更を忘れずに
同じマンション内で引っ越しした場合に忘れやすいのが住所の変更です。
同じマンションでも部屋番号は変わっていますから、必ず手続きは行いましょう。
水道や電気については基本電話連絡でOKの場合が多いです。
ガスについては閉栓・開栓に立ち会いが必要になる場合があるため注意が必要です。引っ越しの多い3月・4月などは込み合う場合があるので早めに連絡を入れましょう。
郵便を入れるポストも変わりますから郵便局への転居届も必要です。約速銀行への届け出も引越後できるだけ早いうちに行いましょう。
荷物を絞ってお得に引っ越し
同じマンション内で引っ越しを行う場合でも、重い家具や家電は専門の業者に頼んだほうが安心です。
トラックの移動がない分引越料金は一般的なものより安上がり。自力でダンボールを運んで最低限の荷物だけ運んでもらうようにすれば、費用を大きく節約できます。